NACのブログ

NeurodivergentsAnonymousCircle(NAC)のブログです。

#12 おれど会:開示について

去る3月25日、卒業式の日に、おれど会が行われました。

(実は、約300日前の記事にあります「コミュニケーションについて」のおれど会から今回の記事の会までに、2回開催がありましたが、先延ばしにより記憶が消失しました。ナレッジが共有できずに消えてしまったことを申し訳なく思います。)

 

テーマは「開示」について。参加人数は5人で、メンバーのお宅をお借りし、2時間かけてじっくりと実施しました。

 

体調確認を終えたのち、各自1枚の白紙に、「開示」に関する困りごとを書き出してもらいました。

この方法は最近取り入れたものです。何を話し何を秘密にしておくかを考えたり、紙に整理することで発表しやすくする狙いがあります。

また、発表を聞き逃したメンバーがその元になった紙を見せてもらうことで、話についていけなくなることを防いでいます。

 

各自の困りごとの発表が済むと、たくさんの共感で議論が活発に進み、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

 

結論です。

  • 困りごとがあったら伝えよう。障害名(ラベル)じゃなくてもよくて、信用につながる可能性がある。
  • とは言え、困りごとに向き合うのもしんどいことである。
  • 困りごとに向き合ったり配慮を求めたりする上で、どこまでが障害による困りごとで、どこからが努力しなければならないラインなのかという線引きの正解がない。
  • 開示先の相手は、理解者かどうかを見極めて慎重に選ぶ必要がある。
  • ここでの理解というのは、障害理解に限らず、分かろうとしたり、話を聞こうとしてくれる態度のこと。必ずしも考えが一致しなくともよい。
  • 開示先とは、何らかの利害の一致や、開示を望まれる前向きな理由があるとよい(「お互い関係を良好にしたいと思っている」「一緒に困りごとの軽減を試みることで、お互いにメリットがある」など)
  • 開示の目的には、「許し・配慮を得る」「説明の簡易化・説得力強化」「困りごとの軽減方法の共同開発」「お互いに何らかのメリットを生み出す」のおおまかに4種類が出ました。

 

短めのまとめになりましたが、研究成果は以上です。

 

以下はちょっとした近況報告です。

  • 卒業式では、大学を卒業するメンバーを、大学に残るメンバーが送り出し、集合写真を撮るなど暖かい交流がありました。
  • サークルメンバーの中から有志で2名、「滝山病院問題を考える市民と議員の連絡会議」に加入しました。入院経験のあるメンバーも複数在籍しているため、精神科入院問題についても少しづつ考えていきたいと思います。
  • 当サークルは、筑波大生を中心にいつでも入会を受け付けており、今春は3名のメンバーを迎えることができました。新メンバーの参加しやすい企画を頑張っていきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

#11 活動報告

最近ブログが更新されていませんでしたので、メンバー同士の支え合いは脈々と行われ続けていることを報告しておきます。

 

大学生活や日常生活、アルバイトなどで困ったことがあれば、discord (チャットサービス)の雑談チャンネルや各メンバーが持つことのできる自分のチャンネルに書き込むことができます。困り事を書き込むと、アドバイスをくれるメンバーがいたり、行動を起こして助けてくれるメンバーがいたりします。

 

例えば、部屋の片付けができなくて困っているメンバーAがいたら片付けが得意なメンバーBが助けに行きます。メンバーBが鬱状態で家にご飯がなくなってしまったときには今度はメンバーAがご飯を届けます。メンバーCとメンバーDがどちらも市役所に行くの先延ばしにしていたら、一緒に市役所に行く約束をします。

 

仲間に対して何もできなくて無力感を感じることもありますが、仲間がいれば解決することなら大体解決します。

 

旅行企画なども出てきています。自己開示や援助希求をするためにはメンバー同士の仲の良さは重要になってくるため、旅行などで交流を深めるのはとても意義のあることだと思います。

 

当事者研究のおれど会は最近できていませんが、会場を大学の教室(予約必須)からメンバーの家に移動して、おれど会を開くハードルを下げよう!という流れになっています。会場がメンバーの家になっても、ルールは毎回確認するつもりです。安心して話せる空間をみんなで作っていきたいと考えています。

 

精神障害発達障害のある、またその傾向のある筑波大生、筑波大学院生でNACのメンバーになることに興味のある方は、ぜひ一度Twitter(X)のDMにご連絡ください。Twitter(X)のIDは@ITF_NACです。

※返信が遅れてしまうことがあり、申し訳ございません。我々が専門家や職業としての支援者ではなく、相互扶助の団体であることを前提としてご了承ください。

よろしくお願いいたします。

#10 おれど会:コミュニケーションについて

 2023年5月21日に行われたテーマ別研究の研究成果報告です。今回のテーマは「コミュニケーションについて」でした。今回はDiscordのボイスチャットで実施しました。参加人数は7名です。今回は、新しいメンバーも参加してくれました。

 

 まず「コミュニケーションについて」というテーマで参加者から困りごとを挙げてもらいました。その後、質問やコメントを募集しました。以下、困りごととそれに対するコメントです。(〇→困りごと、・→それに対するコメントです。)

 

【コミュニケーションのテクニックについて】

〇相手の目・顔を見て話すのが苦手。人の表情を認識するのが不快。偶然人と目が合ってしまった時もすぐ逸らしてしまう。

・私は、自然にしていたら(音声の場合は)ほぼ目を見ていない。手話で話す時は比較的見ている。意識している時は見る。マイナスの感情は生じる。

・ずっと目を見てなくても、印象に残るような形で一瞬見ておけば、「この人は人の目を見て喋る人だ」という印象を与えられる。

・似合うアイシャドウを考えると目の方を見ることができる。

 

〇自分も相手も話していない時間が怖い。

〇相手の話に興味を持ち適切に質問をすることは得意だと思うが、もし相手が質問されたくなかったらどうしようと思うと、それを察することができる自信がなく怖い。質問が思い浮かばなくなると、どうコミュニケーションを取ればいいのかわからなくなる。

・本当に親しくなりたい相手と一対一で話す時は、話したい話題を事前にメモしておいて、会話が途切れないようにする。ただしこれは、事前にどういう話題に関心があるか分かっていないと使えない方法。本当に初対面の時は話す内容に困る。

・でも、相手が相当変わった人でなければ原則はコミュニケーションしたいと思っているはずなので、何を話したらいいか分からない時は自分か相手の関心に沿って話す/質問する。

・私もメモを作っていくことはある。しかし、親しくても相手が興味をもちそうなことが分からない時もある。どうやって相手の関心を予測してる?

→相手が意外な趣味をもっていたりすることがある。相手と価値観の共通点が見つかったら仲良くなれると思う。友人関係・恋愛関係でもそうだが、共通した体験・価値が重要、仲の良さを意味すると思う。会ったら必ずしも会話し続けなければならないというのではなく、一緒に出掛ける、映画を見るなどコミュニケーション外のことをするのもアリ。

・広く流行っている音楽とかを聞いておく。何を言われても返せるように。

 

〇完全に応答にミスをしてしまう。なぜミスしたか分からない。また、タイミングをミスしてしまう。

・しかもミスをしたこともはっきりその場で分かってしまう。なぜ話し始めてしまったのか自分でも分からない。

→その場でミスしたことが分かるというのは自分にはない。その場でリカバリーしようとする?

リカバリーできたらいいけど、できないこともある。自分でもどういうことだと混乱することがある。リカバリーに成功することもあれば失敗することもある。(失敗=相手の顔色悪くなる、空気が凍る。)

・ある話題を話し始めるけど着地点(オチ)が分からなくなる。話と話の関連で話題が移った時にそうなりがち。

・考え込んでしまった時、頭の中だけで会話してて文脈を共有しないまま話してしまう。

 

【緊張】

〇不安とか緊張とかで声が出せなくなることがあるし、その閾値が低い。

〇緊張している場面では「そうですね」「分かりました」など定型文しか話せない。スムーズに言葉が出てこないので暫定的に返事をしているイメージ。

 

〇コミュニケーション中ずっと緊張を強いられる。びくびくしている。間違ったことを言っていないか、相手を不快にさせていないか、とても怖い。正解がわからない。不正解を出し続ける短答試験をしているような感覚がある。

・自分もコミュニケーションの正解を考えてしまう。恋愛ゲームの選択肢みたいなイメージ。

 

〇相手と話している時、緊張して気分が浮ついてしまう。

・会話が終わった後に後悔することがある。

 

【コミュニケーションを取ると疲れる】

〇心のHPがコミュニケーションをすることでゴリゴリ減るので、コミュニケーションをできるだけ避けたいけど、コミュニケーションをしないと少しずつゆっくりと減っていき一定以下になると辛くなるコミュニケーションポイントのようなものがある。なのでコミュニケーションを極限まで減らせば良いかというと、そういうわけでもないので難しい。

・どういう相手に対してHPが減る?親しい相手の場合も減る?

→親しくなければないほど削られる。

〇人と話した後や出かけた後、ストレスがかかったのか、気分の落ち込みが酷い。完璧にストレスフリーは無理なので妥協が必要。

・コミュニケーションは疲れるということ自体、共有するのが難しい人もいそう。友人関係においてコミュニケーション上の配慮というのも難しいと思うし。

→自分で個人的に頼み事をできる相手がいれば。なぜ疲れるのか深掘りできたら、コミュニケーション=疲れるということを分からない人に説明するヒントが得られそう。

→かなり親しい間柄じゃないと、配慮をお願いするのは難しい。配慮を求めると「あなたとの会話は疲れる」と伝えることになるのではないか。コミュニケーションに疲れる理由は、失敗経験、後悔による「コミュニケーション=怖いもの」という学習だと思う。

・会話=目的/手段という一般的なコミュニケーションに対する認識との違い。

 

【どれくらい本当のことを言っている?】

〇言われたことが冗談か本気かが判別できず、なんて返したらいいかわからないことがよくある

・冗談できついことを言ってしまうことがあるので気を付けたい。

・冗談か本気か分からないボーダーで言ってくる人は責任を負いたくないケースが多い気がする。ストレートに言ってこないのが悪いと思うので気にしない方がいい。

・皮肉を言う人っていうのはレア。原則的には褒めとして受け取るのがいい。

 

〇どれくらい本音を言ってもいいのか分からない。意見を言うことで相手と対立したり相手が嫌な顔をするのが嫌だ。そのように考えているのに、友達と話しているとディベートのような会話になりがち。

→思っていることを言うか言わないかの決定権は自分にあるんだと最近気づいた。以前は、本音を言っていいかどうかの基準は外部にあると思っていた。言っていいか悪いかと言うか言わないかは違うかも。言うか言わないか=コントロール可。

→本音を言っていいかどうかという判断について、親からどういう接し方をされていたかが関係しそう。

 

【相手の意図が分からない】

〇「言外の意図」みたいなのの推察が苦手。(「あとはわかるよね?」みたいに、言外の意図の存在を示されていても分からない。)

〇相手の意図がわからない時にわかったふりをしてしまう。

〇思い込みは年代、国籍、母語のような属性が同じときに起きやすい。属性が共通していない時は、思い込みを持ちにくく認識のすれ違いも起きにくい。

・それぞれ認識が違う事に最近気づいたけど、普段の会話ではそこまで考えず、共有できているという前提で進んでいく。

 

【何を話している/話していたか分からなくなる】

〇話してる内に何を聞かれてたのか分からなくなるときがある。聞き返すのが苦手なのでトピックを見失うとフリーズする。

〇毎回、何を話したのかあまり記憶に残っておらず、いいかげんなことを口走ったことだけが印象に残っています。そのことに対する自己嫌悪が酷いので、その相手と話すのが苦痛になります。

・瞬間的に話さなければならない時に、ついていけないのが原因だと思った。解決策:話の正確さと速さを上げること。人と話さない期間があり、会話能力が下がったと感じた。会話の訓練が有効か。情報収集、メモも重要そう。

・処理速度が低い人はテンポ良い会話から振り落とされてしまう。気配りできる環境下だと会話しやすい。

 

〈まとめ〉

1.相手の目をずっと見て話す必要はない。

2.話題を事前に考えていくことで会話に詰まることを回避できるが、基本的には相手も会話したがっているという前提でコミュニケーションに臨めばよい。

3.途中で何を話したいか分からなくなる時=オチを見失う場合がある。また、相手が何を話しているのか分からなくなる場合もある。処理速度などの原因がありそう。話す時も聞く時もメモが有効かもしれない。

4.コミュニケーションで強く緊張する人、またひどく疲れる人がいる。コミュニケーションへの恐怖心などが原因かもしれない。

5.相手は原則好意的に対応してくれていると考えて、冗談や言外の意図についても好意的に解釈した方が精神的には良い。

6.ただ、認識の違いによってコミュニケーション上のすれ違いが起きることもあるため、擦り合わせが必要になる場面もある。

7.どれくらい本当のことを言うかについての判断は発言者にその権利がある。

 

研究成果は以上です。

#9 おれど会: 片付けについて

2023年2月27日に行われたテーマ別研究の研究成果報告です。教室にて対面で実施、参加人数は6名でした。今回も新しいメンバーが参加してくれました。

当事者研究では、研究発表によって周囲/社会の知識をアップデートすることが目的の一つとされています。そのため、このブログで研究成果報告を行います。

 

 

片付けができないことによる生活の支障

・鍵や財布が見つからなくて遅刻の原因になる

スマホをなくして連絡ができない

・スペースがなくてやりたいことがすぐに始められない

 

ゴミ・ゴミ箱について

・ゴミ箱が小さくて一つしかないせいで散らかっているのではないか

・ゴミ箱を買うのを先延ばしにしてしまう 

・ゴミをゴミ箱に捨てられない

・分別が面倒で先延ばしにしてしまう

 

物の多さについて

・まとめ買いで物が多くなる

・いつかはいる気がして物を捨てられない

→他のメンバーからの提案:ここ一年で使わなかったものは処分するという基準を設けるのはどうか

・物をめちゃくちゃ捨てて散らかる物を減らしたら片付くようになった

 

収納について

・収納を増やしたいけど増やし方が分からない

・そもそも自分が何を持ってるかを把握してない

 

物の定位置について

・今片付いていない部分は物の置き方が決まっていない気がする(洗面台・キッチン・クローゼット)

スマホや鍵などの大事なものは定位置を決めてみるものの、定位置に置けない

 

片付け始めるときの困り事や経験

・部屋が散らかりすぎて掃除ができない

・何から初めていいかわからない

・色々なものが散乱しすぎて何から初めていいからわからなくなるため、散らかっているものをラベリングすることにより、具体的な対象物と、具体的な行動が指定されて始めやすくなった
→ex.【メイク道具】と【ネイル道具】を【棚に】戻す、ロフトの【ゴミ】を【ゴミ袋】に入れる、など

・人が来るなどのきっかけがあると、片付け始められる

 

他の人の家の片付けについて

・他の人の家の片付けならできる

☆NACではメンバーどうしの部屋の片付けが頻繁に行われています!

 

研究成果報告は以上です。

 

(担当:LOVENINA)

#8 おれど会:できないことを受け入れ、周囲に頼る

語り手の特性
・不安を感じやすく、不安が強い状況では発声が困難になる
臨機応変な対応をすることが苦手
・過去のトラウマにより、それを想起させる状況で混乱してしまうことがある
 
困りごと・経験
・苦手な状況とそうでない状況でのギャップが大きいため、自分自身の振れ幅に対処しきれず、「本当にできないのか、甘えではないのか」という思考に陥ってしまう
・事前にイメージがつかない状況で適切に行動することができない
 
対策として行っていることと、その問題点
・発声が困難な場面では、無理に声でコミュニケーションをとろうとせず、筆談や手話など他の手段を用いる
→あまりにも不安が強いと、身体の動作も制限されることがある
 →はい/いいえで答えられる質問だと、そのような状況でも比較的意思表示ができるので、事情を知っている親しい友人などにはお願いしている
 
・事前にイメージトレーニングをし、行動のパターンを考えておく
→見通しを持つこともあまり得意ではなく、イメージが外れることも多い
→「また失敗するだろう」という悲観的なイメージに囚われてしまうこともある
 
・「できないことがある」ということを受容する
→これが結構難しい
 
・ひとりで全てに対処しようとせず、カウンセリングに通う・周囲に事情を説明するなどする

 

 

研究成果は以上です。

♯7 おれど会: 気分の波と記憶の関係

2022年9月26日に行われたメンバー別おれど会の研究成果報告です。教室にて対面で実施、参加人数は9名でした。

 

○語り手の特性

・激しい気分の波

・別の自分がいる感覚

 

○困り事/経験

・違う気分のときの記憶がいまいち思い出せないため、人生の大きな決断ができない(決断がすぐ覆る)。また、一つのことをずっと継続することができない。

 

<例>

安定期:現実的なアイデアを思いつく→現実的なアイデアを実行

↓二週間後

鬱:現実的なアイデアを忘れ、 鬱なアイデア(自殺企図等)を思いつく→寝たきりのため実行できない

↓二週間後

躁:現実的なアイデアと鬱なアイデアを忘れ、躁なアイデアを思いつく→躁なアイデアを実行

・・・結果的に色々な気分(視野)で思いつくアイデアどうしを比較できず人生の大きな決断ができない。あるいは決断がすぐに覆る

 

○対策として行っていることと、その問題点

 

対策:考えたことを書き残す

→書き残されたメモを見て参考にできることはあるが、下記のように問題点がいくつかあるため完全に解決することはできない

 

問題点:躁のときはメモを見てもスルーしてしまう。「絶対うまくいく」という思い込みが激しく、メモを見ても実感がわかずスルーしてしまう。衝動性が大きくなるため、もしメモを見て頭の片隅で「アイデアを実行したらキャパシティを超える」と理解できたとしても、何かをやりたいという衝動が勝ってしまう

 

問題点:鬱のときは頭が働かずメモを書く・見ることを忘れてしまうことがある

 

問題点:破滅的な気分のときはメモを書く・見るという健全な行為を避けてしまう

 

問題点:鬱や破滅的な気分のときは「躁や安定期で体が動くうちに自死しろ」というメモを残すことあり、実際体が動くようになってから乗っ取られたかのようにそのメモに従って自殺行為の一歩手前まで行動に移してしまう(死に対する恐怖で我にかえる)。これによって何かの拍子で実際に自死してしまうと周囲の人を悲しませることになる

→発見:自死すべきだと思う理由まで書けば安定期に解決策をメモに書いて次の鬱になったときの自分に提案できるのではないか

→理由のない希死念慮には解決策を提示できない

→対策:服薬でそもそも希死念慮が生じないようにする。

→服薬で希死念慮が治まることもあるが、効かないことも多々ある。

 

研究成果報告は以上です。

#6 おれど会: 聴覚情報について

2022年5月8日に行われたおれど会の研究成果報告です。教室にて対面で実施、参加人数は6人でした。

 

今回のテーマは「聴覚情報について」です。言語的な音声、自然音や物音、音楽などについての困りごとについて話されました。

 

1.急に大きな音が鳴ったとき、大きく驚く。(聴覚過敏?)

【例】扉を勢いよく閉める音、電車の音

【意見】

・自分はなるべく音をたてないように生活する

・その時々のコンディションで感受性が変わる

→アルコール摂取で音楽が気持ちよく聞こえる。鬱の時はある程度の音量の音楽は頭に響く。テレビタレントや音楽の曲調についていくエネルギーがない。鬱になると普段平気な音でもしんどくなったりする。グリッチノイズ音(デジタル機器のノイズ音)が「おいしく」聞こえる時がある。

ノイズキャンセリングイヤホンを使用する

・インターホンや着信音が苦手→置き配、宅配ボックスの活用

・トラウマとの関係性もある

 

2.内容が頭に入ってこないことがある。

【表現】「読んでいて目が滑る、の聴覚版」「すぐ頭から抜けていったりする」

【意見】

・特に疲れている時に多い

・文字情報があると助かる、口頭以外での伝達も含めてもらう

音声認識、文字起こしを使用する

・聞きながらメモするのが難しい、何をメモすればいいか分からない

・書いて見せる(筆談する)と、相手も書いて返してくれることが多くて便利

・大事なことは複数回言ってもらう、聞き返す

・言語情報か非言語情報かによって得意/苦手が違うことは、聴覚情報を得るのが得意/苦手ということとは違いそう

 

3.集中できる環境

・雑音があった方が良い人とない方が良い人がいる、時と場合にもよる

→「雑音がある環境の方が周りの声が情報として入ってこないから集中できる」

  「自習室、図書館が苦手」「静かすぎる」

 

4.幻聴

【意見】

・幻聴はイヤホンからの音声のように聞こえてくる

・精神的不調時の幻聴→自殺教唆、どうやったら抵抗できるのか?

・躁になると音楽が良く聞こえる

 

5.大勢の人がいる状況で、適切に声を聞き分けられない。

【意見】

・選択的集中の苦手さ?

・カクテルパーティ効果や投薬によるノルアドレナリンの効果がありそう

・以前は聞き分けられなかったが、今は聞き分けられるようになった

 

研究成果報告は以上です。お読みいただきありがとうございました!

(担当:不知火)