NACで行われている、当事者研究「おれど会」についてご紹介します。
当事者研究とは何か
当事者研究とは何かについては、当事者研究を最初に始めた方々が既に詳しく説明してくださっているので、そちらにお任せしようと思います。
簡単に知りたい
簡単に知りたい方は、こちらのリンクをご参考にどうぞ。わかりやすいイラスト付きで、当事者研究のことをざっくりとわかっていただけるかと思います。
もっと詳しく知りたい
もっと詳しく知りたい方は、こちらのリンクをご参考にどうぞ。当事者研究について、歴史的経緯も含めそのバックボーンから理解していただけるかと思います。
NACの当事者研究「おれど会」について
NACでは「おれってどうしたらいいです会」略称「おれど会」という名前で、当事者研究をしています。一口に当事者研究といっても各団体ごとに進行方法は様々です。おれど会は他団体の進行方法を参考*¹ にさせていただきつつ、「テーマ別研究」と「メンバー別研究」の二つの方法で行なっています。順にご紹介していきます。
おれど会テーマ別研究とは?
参加者全員で同じテーマについて研究します。主に対面での開催です。テーマ別研究の流れをご紹介します。
1. 体調確認
・一人一人、自分の体調について一言ずつ報告する (一人につき1〜2分くらい)。
例: 緊張してます
→ファシリテーターがサポートしやすい。
2. シンキングタイム
・黙々と、テーマに沿った自分の困り事や経験について考える (全員一斉に15分くらい)。
・紙やスマホやPCでメモを取りながら考え、書き終わったら、Slack(チャットツール)に写真やテキストでメモをシェアする。
→聴覚情報よりも視覚情報の方が得意なメンバーが、発表内容をメモからの視覚情報でも得られるので便利。
3. シェアタイム
・一人一人、自分がシンキングタイムで考えたことを語っていく (質疑応答も含め、1人につき15分くらい)。
4. 感想・まとめ
・感想のあるメンバーがいれば感想を語る (1〜2分くらい)。
・まとめとして、今回の参加者の語りがいかに有意義であるかをファシリテーターが述べる。
5. 研究成果をブログで発信
・当事者研究では、研究発表によって周囲/社会の知識をアップデートすることが目的の一つとされている。そのため、ブログで研究成果を報告をする。
※個人の特定に繋がらない形で発信する。
おれど会メンバー別研究とは?
その回で語り手となるメンバーの悩み事や経験を、語り手を中心に参加者全員で研究します。主にオンラインでの開催です。メンバー別研究の流れをご紹介します。
1. 語り手が一人で研究し、資料にまとめる
・絵, 図, グラフ, テキスト, パワポなど、自分がやりやすい方法でまとめる。
・箇条書き程度の軽いものでOK。
2. サークル内で発表
・Discord(ボイスチャットサービス)にて、語り手が事前に作成した資料を画面共有しながら発表。
・聞き手の集中力が続くように、話題別に区切って語る(一区切り15分くらい)。
・語りが一区切りつくごとに、参加者全員でわいわいがやがや話す。
・チャットで参加するメンバーもいる。
おわりに
おれど会/当事者研究の紹介は以上になります。
NACでは筑波大のNeurodivergentsをグレーゾーンの方も含め、メンバーとして募集してます。ご連絡はTwitterアカウント @ITF_NACまで!
長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さりありがとうございました。
参考文献
*¹ 綾屋紗月 (2017) 当事者研究をはじめよう!―――当事者研究のやり方研究. みんなの当事者研究 臨床心理学増刊 第9号 74‐99
熊谷晋一郎 國分功一郎 (2017) 来たるべき当事者研究 ―――当事者研究の未来と中動態. みんなの当事者研究 臨床心理学増刊 第9号 12‐34